2010年06月09日
北アの思い出。
私は北アには数えるほどしか行っていない。
先週末に行った槍ヶ岳を入れても五回ほどの山行だ。
しかし、上記の山行を除いた、、、
北アでの滞在日数は2ヶ月近くになる。
って言うのは、、、
今から9年ほど前の夏、北アの山小屋で働いた経験があるからだ。
北アに行くとその時のことを思い出す。
そんな思い出をダラダラ書く。
当時は山に全く興味がなく、、、
ただの“住込みのバイト”って感じで出かけた。
そして、2ヶ月経って山から下りても、、、
山に対する興味は全然変わらなかった。
むしろ、どちらかと言うと、、、
2ヶ月間で出会った登山者たちのマナーの無さに辟易し、、、
山登りをする人間に対する不信感のようなものが増したほどだった。
『山なんて一生登らねぇよ。ケッ!!』
山小屋での生活はどぉだった??
そう聞かれた時の私の答えはそんな感じだった気がする。
そんな人間が、、、
今はすっかり山狂いなのだから面白いものだ。
山に興味が無いのに、、、
何故、山小屋で働いたのか??
それは、単に当時の彼女(今の嫁さん)に誘われたからだった。
かと言って、、、
嫁が山ガールだったわけではない。
エジプトへ個人旅行に行っていた時に、
バイトをすることになった山小屋の管理人さん夫婦に出会い、
数日、行動を共にしたそうだ。
そこで気が合い“夏になったらバイトに来ないか??”と誘われたらしい。
んで、男手も足りないからと、嫁伝いで私に声がかかった。
当時は私も嫁も、、、
海外をフラフラするための金を貯めていたので、、、
住み込みならば給料が安くてもそれなりに貯まるだろう、、、
そんなことを考えて小屋で働くことにしたのだった。
ちなみに日給は4000円ぐらいだった記憶がある。
そんなこんなで、、、
何とな~く小屋で働くことになったのだが、、、
山に登った経験は、幼稚園の時に祖父に連れられた高尾山ぐらい。
全くの素人だ。
っていうか、興味も無いので素人以下だな。
働き始めの日、、、
「登山口に着いたら小屋までの道順を教えるから電話して下さい。」
管理人さんの奥様からそう言われていた。
電話してみると、、、
「温泉を抜けてちょっと行くとハイマツが出てきます。
そこに分岐があるので小屋方面に行って下さい。そこからは一本道だから。」
と、おっしゃる。
“ハイマツ”ってなんだ??
そう。
ハイマツも知らなかったのだ。
“枯れて灰色になった松の木”を探しながら歩いた。
が、ハイマツは実際見てしまえば納得。
『ああ~~~。這っている松かぁ~~~。』
なんて、妙に感心したのを憶えている。
無事に小屋に着いた。
小屋での日々は、、、
忙しく重労働だったが、仕事仲間に恵まれて楽しかった。
しかも、私は元兵隊なので集団生活にも慣れていたし。

天気のイイ休日になると、、、
200人近くの宿泊があったので、、、
朝の3時過ぎから、夜9時ぐらいまで、となかなかの長時間労働。
時給にすると300円そこそこだろう。
それでも笑いながら働いていた気がする。
管理人さんの好意で少し離れた小屋に泊りに行ったりもした。
仕事仲間でワイワイと。

そういえば、この時だったな。
嫁はコンバースのオールスター(しかも布のヤツ)で来ていたので、、、
雪渓で滑落しそうになったんだ。
それ以来、雪渓と聞くと恐怖の対象らしい。
1ヶ月ほど小屋で働いた後は、、、
近くの野営管理所からお声がかかったので、そちらで働くことにした。
仕事は小屋に比べると全然ラク。
しかも、こちらでも仕事仲間に恵まれたので楽しく過ごした。

管理所の隣には、、、
県警の山岳救助隊の方々が詰めていたので、よく一緒に酒を飲んだ。
みんな気さくで気の良い人たちばかりだったな。
そういえば、、、
ちょっとだけ怖い経験をしたことがある。
夜、前に働いていた小屋で急病人が出た。
そこで、管理所に来てくれていたお医者さんと二人で、夜道を小屋に向かった。
まぁ、私は荷物持ちといったところか。
ヘッデンを点けて歩いたのだが、、、
夜の山を歩くことなんて初めてであった。
ヘンなルートを歩きなんとか小屋を往復したのだが、、、
翌日、そのルートを見てみると、すぐそばが崖であった。
危なく滑落するところだった。
小屋で1ヶ月、管理所で1ヶ月。
7月に山に入って2ヶ月が過ぎた。
山はすっかり秋の雰囲気を出していた。

下山後は嫁と各地をフラフラしながら帰った。
せっかく貯めた金も暴食で結構減っていたっけな。
この時の経験が今の登山に役立っている、、、
かと言えば、、、特にそんなことはない。
しかし、、、
山を始めようと思ったときに、、、
この時の風景の数々が頭に浮かんだのは言うまでもない。
Posted by 工場長 at 11:35│Comments(6)
│山っぽい話
この記事へのコメント
ちわっすぅ。
【元兵隊】←っつーと・・・フランス外人部隊とかグリーンベレーとかネイビーシールズとかっすよね?
絶対そーでしょ?
○衛隊とか言ってないで白状してください。(笑)
で、写真の一番デカい御方が工場長殿ですね?
【元兵隊】←っつーと・・・フランス外人部隊とかグリーンベレーとかネイビーシールズとかっすよね?
絶対そーでしょ?
○衛隊とか言ってないで白状してください。(笑)
で、写真の一番デカい御方が工場長殿ですね?
Posted by モンゴル at 2010年06月09日 12:12
こんにちは。
世の中いろんな人がいますが、山に興味がないのに小屋番する人なんてあなたぐらいですよ。ええ。
ところで兵隊で整備してたってのは仮の姿で、AFSOCの日本版にいたのか。
だから残雪の槍日帰り楽勝なんだ!
世の中いろんな人がいますが、山に興味がないのに小屋番する人なんてあなたぐらいですよ。ええ。
ところで兵隊で整備してたってのは仮の姿で、AFSOCの日本版にいたのか。
だから残雪の槍日帰り楽勝なんだ!
Posted by くわ at 2010年06月09日 13:32
モンゴルさん。ちわっス!!
>・フランス外人部隊とかグリーンベレーとかネイビーシールズとかっすよね?
いやいやいやいやいやぁ。
日本のですってば。
そんなに屈強ではございませんよ。
ただ、小銃撃つのは上手かったですけど。
>で、写真の一番デカい御方が工場長殿ですね?
そうです。
頭に青い布を巻いてるのが俺です。
その前のちっこいのが嫁です。
でもまぁ、昔の写真なんで、、、
俺は+7kg、嫁はキレキャラ化してますけど。。。
>・フランス外人部隊とかグリーンベレーとかネイビーシールズとかっすよね?
いやいやいやいやいやぁ。
日本のですってば。
そんなに屈強ではございませんよ。
ただ、小銃撃つのは上手かったですけど。
>で、写真の一番デカい御方が工場長殿ですね?
そうです。
頭に青い布を巻いてるのが俺です。
その前のちっこいのが嫁です。
でもまぁ、昔の写真なんで、、、
俺は+7kg、嫁はキレキャラ化してますけど。。。
Posted by 工場長@職場 at 2010年06月09日 15:26
くわさん。ちわっス!!
>ところで兵隊で整備してたってのは仮の姿で、AFSOCの日本版にいたのか。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
くわさんまでっ!!
そんなに屈強ではございませんよ。
ただ、目隠しして小銃バラして組み直すのは上手かったですけど。
>山に興味がないのに小屋番する人なんてあなたぐらいですよ。
それがですね。
結構、居るんですよ。
ふもとの小屋の人でも同じような方が何人かいまして。
けど、その後はみんな山にハマっていくらしいですが。
>ところで兵隊で整備してたってのは仮の姿で、AFSOCの日本版にいたのか。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
いやいやいやいやいやいやいやいやいやいやいやぁ。
くわさんまでっ!!
そんなに屈強ではございませんよ。
ただ、目隠しして小銃バラして組み直すのは上手かったですけど。
>山に興味がないのに小屋番する人なんてあなたぐらいですよ。
それがですね。
結構、居るんですよ。
ふもとの小屋の人でも同じような方が何人かいまして。
けど、その後はみんな山にハマっていくらしいですが。
Posted by 工場長@職場 at 2010年06月09日 15:31
”思い出”をみて思い出しました。私の、弟も青木鉱泉で数か月働いたことがあります。弟は学生時代から山に登っていましたから、50年以上になりますので、働く動機は少し違いました。そこで同じようなことがありました。鳳凰小屋でけが人が出て、青木鉱泉から迎えに行き、付き添って下りました。往復とも夜間でした。また小屋を辞める時、今の中道を整備をしました。整備したのを自分の名前では通じないので、ある人(名前の通る)の名前にして、”山と渓谷社”に連絡して中道の整備を本に載せてもらいました。こんなことがありました。弟は私の山の先生です。
Posted by 山の神 at 2010年06月09日 18:41
山の神さん。ちわっス!!
すみません。
飲み会やら仕事でトラブったりしてお返事が遅れました。
>弟も青木鉱泉で数か月働いたことがあります。
おお。そうなんですか。
電気も通っているし、温泉もあるので快適そうですね。
私がいた小屋は稜線上にあったので、
水が無くて、風呂も週に1回程度でした。
>往復とも夜間でした。
小屋で働く人間の務めだとは思うんですが、やはり夜道は大変ですよね。
>弟は私の山の先生です。
ご兄弟で山をやっているのはイイですね。
私の兄弟は誰もやってません。
ただ、従兄弟が登っているようなので、
そのうち会ったら山の話でもしようと思ってます。
すみません。
飲み会やら仕事でトラブったりしてお返事が遅れました。
>弟も青木鉱泉で数か月働いたことがあります。
おお。そうなんですか。
電気も通っているし、温泉もあるので快適そうですね。
私がいた小屋は稜線上にあったので、
水が無くて、風呂も週に1回程度でした。
>往復とも夜間でした。
小屋で働く人間の務めだとは思うんですが、やはり夜道は大変ですよね。
>弟は私の山の先生です。
ご兄弟で山をやっているのはイイですね。
私の兄弟は誰もやってません。
ただ、従兄弟が登っているようなので、
そのうち会ったら山の話でもしようと思ってます。
Posted by 工場長@職場 at 2010年06月10日 11:19
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