工場長の「山ばっかり、、、酒ばっかり。。。」

長男：とーちゃん。なんかトゲトゲが落ちてるよ。


俺：ん！？　なに？？


長男：ほらこれ。


俺：お。ハイマツの葉っぱじゃん。


長男：ハイマツ？？


俺：そうそう。お山の上の方に生えてるんだよ。


長男：ふぅん。


俺：お前もお泊りで行ったお山で見たことあるんだよ。


長男：そうだっけ～。


俺：ありゃあ。もう、忘れちゃったかぁ。







台所の床にハイマツの葉が落ちていた。






どぉやら、、、

この間の山行で藪漕ぎした時のモノがドコかについていたらしい。

家まで持ってきてしまったようだ。







南ア南部のハイマツは這ってなどいない。






胸までのモノはおろか、、、

私の背丈を由に越えるハイマツ帯にも出くわす。





逞しくて、よく撓る枝枝に、

身体やザックが絡め取られ、身動きができず、

小さな虫たちと草いきれに囲まれている時なんぞは絶望の一言に尽きる。



こんなウザイヤツは燃やしてしまえばいい。。。



今回の山行でも何度そう思ったことか。。。







しかし、、、

台所に落ちていた一摘みの葉に妙な愛着を感じる。






ふと。匂いを嗅いでみると、、、

意外にも素晴らしい芳香を放っているじゃないか。





身体中のアチコチ痛いが、、、

もう、山に行きたくなってくる。



二度とイヤだと思っていたハイマツの藪漕ぎも、、、

またやってもイイかな、、、

なんて、良い思い出に変換される。

松脂がこびり付いた山ズボンも誇らしく感じたりする。





何でツライ思いをしても、また山に行くんだろう。





未だに理由はよく分らないが、、、

そのサイクルの一端を見た気がした瞬間だった。