(その①はココ)
(その②はココ)
(その③はココ)
(その④はココ)
実習としては最後の“間伐実習”になりました。
っで、、、
まず、なんで間伐するかってことなんですが、、、
前にちょっと書きましたが、、、
林業では良質の木材を得るために木をある程度密集して植えます。
その林を成長の度合いに応じて間引いていきます。
だいたい、林齢(苗木を植栽した年を1年生)11~18年生で最初の間伐をして、、、
以後も必要に応じて40年生ぐらいまで続けていきます。
必要に応じてとは、
木々が込み合ってきて、、、
木々相互の成長に有害になった時、
林床の雑草木が少なくなってきた時、、、だそうです。
間伐しないで放っておくと、、、
ひょろひょろの木ばっかりの林になってしまい、
木材としての価値が無い林ができてしまいます。
さらに放っておくと、これも前に書きましたが、
立ち枯れる木も出てきて、土地も痩せてきて、
土砂災害が起きやすい林(山)になってしまいます。
となると、素朴な疑問が浮かんできますよね。
間伐しなくて済むように植えりゃイイじゃねぇか??
私も林業に興味を持つ前はそう思ってました。
んじゃ、、、
間伐しなくてイイように疎らに植えるとどぉなるかというと、、、
・周りに競争相手の木が無いため、横に太る(真直ぐ上伸びない)。
・根元が太く、完満(幹の上下で太さの違いが少ない)で無い木が出来る。
・年輪幅にも偏りが出て曲がりやすい木材になる。
いづれにしても木材としての価値は低くなります。
要するに密植(密集して植える)すると、、、
・木々は周りの木との生存競争に勝とうとして上に上に伸びる。
・好き勝手に伸びることができないので枝が細くなる。(節が小さくなる。)
・間伐を適切に行えば、年輪幅が均一で細かな強い木材が出来る。
ってことです。
なんとなく解りますか??
(説明が下手で申し訳ないです。。。)
ちなみに昔は、、、
20年生ぐらいの間伐材でも丸太足場として売れていたのですが、
最近はビケ足場(金属製のくさび緊結式足場)に取って代わられたので、
売れなくなったそうです。
今、林業での一番の課題は、、、
間伐材をどのようにして、それなりの値段で売れるようにするか??
ということです。
間伐して多少でも利益が出れば、、、
放置される林も少なくなりますからね。
環境にも林業の仕事的にも大きなプラスになります。
ついでにちょっと脱線しますが、
林業の現状を考える時、、、
環境問題と山林の経済問題は微妙な感じで絡まってきます。
環境問題だけの観点から見ると、、、
植林だけして放置してある森林の所有者は悪に見えます。
が、経済的な観点でみると、、、
戦後の拡大造林政策などにより、
山主さんは木を植え、育ててきたけど、
木材の輸入自由化などにより木材の値段も下がり、切っても損をする現状になった。
お金を使って間伐して良い木を育てても、
結果、損をするんじゃ放置するしかない。
金に余裕があるわけでもないし。
という事情もあります。
都会の人間から見ると“山を持っている”というと、、、
イコールで金持ちな感じがしますけど、
山主さんといっても別に金持ちなわけではないですからね。
山や田舎のことを知らない都会人に、
「損をしてでも、てめぇの金を使って環境問題に貢献しろ。」
なんて言う権利は無いと思いますけど。どぉでしょう。
「俺が金を出すぜっ!!」
ってなら、話は別でしょうけどね。
今なんて中国企業が全国各地の水源地を、
大規模に買収しようとする動きもあるらしいです。
今の山林の値段より良い値段で、です。。。
ヤですねぇ。。。
山歩きしてて、、、
『立ち入り禁止 by 中華森林公司』
なんてことになっていたら。。。
まぁ逆の見方をすれば、
林業が産業として成り立つようになれば、
環境&山林の経済、どちらの問題も解決するわけです。
(ほとんど、山林の経済=林業なんでこの言い方もヘンですけど。)
けど、、、どぉすりゃ良いんでしょうかねぇ。。。
あ。。。
前置きと脱線がかなり長くなってしまいました。。。
スンマソン。。。
間伐実習の話でした。
現場は、枝打ちの時と一緒の研修所の裏山です。
ココはじぇんじぇん手入れしていない林なので、、、
ひょろひょろの木が密集して立ってます。
木の切り方なんですが、
良いサイトがあったんでURLを紹介するだけにします。
伐倒の原理
習った通りにやれれば良いんですが、、、
頭では解っていても、なかなか思ったようには出来ません。
まだ、チェーンソーへのビビりもありますしね。
多少でも思ったように出来るようになったのは、
2日目に入ってからでした。
んで、この間伐なんですが、
一番厄介なのが“かかり木”という現象です。
混んでいる林で木を切りますと、、、
木を倒そうとしても、隣りの木や枝に、、、
倒そうとしている木が引っかかって倒れきりません。
特に私たちはまだ、、、
思った方向に倒せない素人なので“かかり木”しまくりでした。
この“かかり木”の処理が、危ないわ、大変だわ、なんです。
林業の労災も、かかり木処理でのものが、かなり多いです。
これもイメージするのが難しいと思いますのでURLを付けておきます。
かかり木処理作業の安全
実際はこのURLの絵のように、、、
木が空いていて、平坦な所での作業ではないんでもっと大変っす。。。
ってことで、、、
わりと必死こいて作業をしていたんで、、、
写真はほとんど撮っていましぇんデス。。。
チェーンソーは5,6人に1つだったし、、、
切った木もほとんどは細い木ばかりでしたが、、、
それでも、今までの実習の中では一番緊張感がありましたね。
っで、、、
細い木ばかりではあったんですが、、、
最後に直径40cmぐらいの杉を切らせてもらいました。
なかなか爽快でございました。
ザ・林業っ!! って感じでしたわ。
下の写真は雲取山の鴨沢コースでやっていた間伐の現場です。
この間伐材が売れればねぇ。。。
勿体ないよなぁ。。。
なんて思いながら歩いてみたり。。。
実習も終わり研修ネタも残り少なくなってきました。
あと1,2回で終わると思います。
もうちょっとだけお付き合い下さいませ。
(その⑥に続く。。。)